嗅覚・副鼻腔炎
嗅覚・副鼻腔炎

嗅覚障害は食べ物の香りや日常のにおいを感じにくくなる(嗅覚低下)、あるいはまったく感じなくなる状態(嗅覚脱失)、においを過敏に感じたり(嗅覚過敏)、どんなにおいも不快に感じたりする(異臭症)においの不調の総称です。
嗅覚は日常生活に欠かせない感覚のひとつであり、食事の楽しみや危険の察知(ガス漏れ・焦げ臭など)にも関わる大切な機能です。そのため、においの異常は生活の質を大きく低下させる要因となります。
嗅覚障害の主な原因はアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、感冒などの急性上気道炎、外傷、神経変性疾患、頭蓋内疾患、先天異常、加齢、薬の副作用などがあげられます。当院では、丁寧な診察と検査をもとに、患者さんの症状や原因に合わせた治療を行っています。
食べ物や香水、花の香り、ガス漏れのにおいなど、あらゆるにおいを感じなくなる状態です。事故防止や食欲低下の原因にもなります。
以前よりにおいが分かりにくくなり、香水の香りや料理の匂いを近づけても分からないことがあります。軽度から中等度の嗅覚障害です。
本来のにおいとは異なる不快なにおいとして感じる症状。例えば、食べ物の香りが焦げ臭く感じたり、腐ったようなにおいに感じることも。
においと味は密接に関わっているため、嗅覚障害があると味の濃淡は感じても、食べ物の風味や旨みが分からなくなることがあります。
アレルギー性鼻炎
花粉・ハウスダストなどのアレルゲンで鼻の粘膜が腫れ、においの通り道がふさがり嗅覚が低下する病気。鼻水・くしゃみ・鼻づまりも伴います。
副鼻腔炎(蓄膿症)
副鼻腔炎は、鼻の周囲にある副鼻腔に炎症が起こる病気です。風邪が原因で発症し、鼻づまりや顔の痛みなどが現れます。急性の場合は1〜2週間で治りますが、放置すると慢性化し治療が長引くため、早めの受診が大切です。
好酸球性副鼻腔炎
難治性の副鼻腔炎の一種で、手術後も再発を繰り返しやすく、においの異常が持続しやすい病気。喘息を伴うこともあります。
感冒後嗅覚障害
風邪をきっかけにウイルスで嗅神経が障害され、においを感じにくくなる病気。自然回復しにくい場合もあり、リハビリが必要です。
アルツハイマー型認知症などの神経疾患
発症初期からにおいが分からなくなることが多く、記憶障害や判断力の低下とともに嗅覚の異常もみられる病気。
脳腫瘍・脳血管障害(脳出血・脳梗塞)
脳の病変によってにおいを感じる中枢(大脳)が障害され、嗅覚に異常をきたす病気。他の神経症状を伴うことが多いです。
頭部外傷
交通事故などで頭部(においの中枢)に直接ダメージが加わることで、嗅覚障害をきたすことがあります。
心因性嗅覚障害
強いストレスや心理的要因でにおいの感覚に異常をきたす状態。においがしない・過敏になる・異常なにおいを感じるなど多様な症状が出ます。
急性副鼻腔炎
急性副鼻腔炎は、風邪をひいた後や風邪が長引いたときに生じることが多く、風邪の症状に続いて副鼻腔(鼻の周囲にある4つの空洞:篩骨洞・上顎洞・前頭洞・蝶形骨洞)に細菌感染がもたらされることで起こります。
主に鼻づまり、膿のような鼻汁、後鼻漏(こうびろう:鼻汁がのどの方へ流れ落ちてくる症状)、咳や痰、嗅覚障害などをきたし、副鼻腔という限られた空間に膿が溜まるため頻繁に痛みが起こります。
頭重感や目の周りの痛み、頬や歯の痛みとして症状がでることもあります。
鼻処置や抗生剤等を内服することで、症状は改善していきます。小児は大人と比較して副鼻腔炎を発症しやすい傾向があり、中耳炎を合併することもあります。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
副鼻腔炎が長引いて慢性化(3か月以上)したものが慢性副鼻腔炎です。いわゆる蓄膿症(ちくのうしょう)と呼ばれるもので、完治までに長期間の治療が必要になってきます。
症状は粘液性(ときに膿性)の鼻汁が絶えず認められ、常に鼻が詰まり口で呼吸をするようになります。蓄膿のにおいが鼻に回ることでいやなにおいを感じたり、においがわかりにくくなったりします。
治療は急性の場合と同様に鼻処置や、抗生剤、消炎剤などを使って治療していきます。改善が乏しい場合やポリープが形成されている場合には手術治療が必要になることもあります。
耳鼻咽喉科では、まず問診や視診で症状の経過やにおいの自覚の有無を確認したうえで、以下のような検査を組み合わせて原因を特定していきます。
また、喘息などの鼻以外に症状がないかどうかも含めて総合的に診断します。
(好酸球性副鼻腔炎:特に喘息の持病を持つ方で、嗅覚障害が強く難治性の慢性副鼻腔炎も近年増加しております。)
軽症であれば薬物療法や生活改善のみで十分な場合もありますが、慢性的な炎症や構造的な異常が認められる場合には、手術療法が必要となることもあります。
細菌感染がある場合には抗生物質を使用します。鼻汁の排出を促すために去痰薬を併用することもあります。
生理食塩水などを用いて鼻腔内を洗い流すことで、膿や分泌物を取り除き、粘膜の炎症を和らげます。また、ネブライザーによる薬剤の噴霧吸入により、薬効を鼻や副鼻腔の奥まで届け、清浄化と治癒の促進を図ります。
慢性副鼻腔炎や鼻中隔のゆがみなど、薬物療法だけでは改善が難しい場合には、内視鏡下副鼻腔手術(ESS)や鼻中隔矯正術などの外科的治療が選択されます。鼻腔や副鼻腔の換気と排泄を改善し、根本的な治癒を目指します。
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